めちゃくちゃ暑い昼下がりに大柄なスキンヘッドの男がソワソワしながら入ってきた、ウンベだ。
『弟!リザードンHR争奪戦って知ってるか?ウホッ』
来て早々語尾にウホッってつけるくらい興奮している。
話には聞いたことはある。枚数が少なくて希少価値の高いカードが優勝商品でもらえると言う。
アイスコーヒーを出しながら頷くと
『応募が先着順で、それで応募したら通ったんだ!ウッホホホ!』
いつものウホッより長い。きっと最上級のウッホがウッホホホなんだな。
アイスコーヒーを一気飲みして落ち着いたのか、いつものウンベに戻っていた。
何やらウンベは幼い頃からずっとリザードン命の男らしい。ポケカを始めたきっかけもリザードンがいたからみたいだ。
そうなるとやはり今回の争奪戦優勝者に渡されるHRもものすごくコレクションにしたいのは言わなくてもわかった。
『そのリザードンが世界に1200枚しかないんだ、どうしても欲しい。』

確かにかっこいい、おれも欲しいくらいだ。とても熱いウンベを見てリザードンを愛してる良いやつだと思った。
そのリザードン争奪戦はいつものジム戦とは内容が違うみたいだ。
シールド戦と言うものらしい。
参加者が16人いてその中の2人が『伝説の鼓動』のBOXを半分ずつパックを分け合ってそこから出たカードで40枚のデッキを組んで戦うみたいだ。
16人参加でまず4人リーグをしてそれに勝ち上がれば決勝トーナメント。
そこから準決勝、決勝と勝ち上がればリザードンにたどり着く。
中々険しい道のりだ。
ちなみに4人リーグを勝ち抜けばリザードンSRと言うカードももらえるみたいだ。

かっこいい。すでにかっこいい。
おれも欲しくなって来たが、まだまだおれの実力では到底かなわ…
『弟、シールド戦ってのはな、その日1番運が良くてそのBOXのカードを熟知して理論に基づいてデッキを作れば初心者でも上にあがれるんだ。』
『仮に世界王者の力を持っていても配られたカード次第では初心者にも負けると言うことだよ』
『まぁ世界王者ならカードがどうしようもなくとも熟知と理論持ってるからなんとかなるんだけどな』
『後3週間しかないから一緒に練習してくれないか?』
確かに、カードの種類は約70枚。そのカードを覚えるだけでもなにも対策しない人よりは何とかできそうだ。
後は経験か。
残念ながら兄弟はそこまでまだのめり込んでない。
いやしかし!今はウンベにリザードンを取らせてあげたいから一緒に練習を手伝うことにした!
リザードン争奪戦!暑くなって来たぜ!
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