弟が楽しそうに「ハンコ」を作っているのを横目で見ながら、
何か言いたい私は、あーだこーだと弟の背中にブツブツ言葉をぶつけていた。
そのうち、私も何か作りたいという欲求がフツフツと込み上げてきた。
何を作ろうかとしばらく考えていたが、そのうちポケモンサンムーンを手に取り、ながら作業でアイデアを振り絞ることにした。
草むらから現れた色違いのケーシィにテレポートで逃げられたとき、怒りで私の中のスーパーサイヤ人が目覚め、あるアイデアが浮かんだ!
哲学にも似た、悪魔的発想…ざわざわざわ
『作りたいものを作るためのものを作ればいいんじゃあないか!』
要は、作業台。とりあえず、工房として何かを作るために作業台を作ろうという結論に至った。
簡単に作れるモノがいいなぁ、折りたたみ式とか持ち運びに便利なモノとか…。
バイト先に来る大工の棟梁がなんかソレっぽいモノ持っていたなぁ…。ということで、作業台を作ってみることにした。
まずは材料。
①12×910×1820 のベニヤを2枚。
以上!¥1500×2枚で、¥3000だな。

間違えてカットしてしまうと嫌だからぁ、落書き図面で雑念と迷いを打ち消すことにする。

作業時間は1時間と己に課す!
ではでは、まずは私の電動マルノコ『ルクシオ』に頑張ってもらい、ズバッとベニヤを切り落とす。

こんな感じ。重ねて、持ち運びが楽になるように取っ手の穴も空けておく。

こうすれば持ち運びも楽でしょ?
サンドペーパーで切り口のささくれをきれいにしたら…。あれ?もう完成…なの…か?

切ったベニヤを組み立てて、立てる。
その上に板でも乗せれば、作業台の完成。

上に乗せる板がなければ、作業スペースが半分になるけど、こうすればいいよな!

時計を見る…。30分…。
超レアポケモンに逃げられ、怒髪が天を突いている私が、これで気がおさまるはずもなく、
色を塗ることで、気を紛らせる事にした。
『オイルステインをぉぉ…塗る!塗る!
拭き取る!拭き取るぅ!! ケーシィ!
ケーシィ!!ユンゲラぁぁ〜!!』

…ふぅ、気がすんだ。


色を塗ったことで、幾ばくかの憂いは晴らされた…。この台は『ケーシィ』と、そう名付けようと思う。
工房のために、これから尽くしておくれ…。
ケーシィ…くそ、色違いがぁああ…。