工房ギルドーン初の仕事の依頼がきた!
コロナウイルスの影響を受けてニンテンドースイッチの売り切れに心を痛めながら、
今日も3DSでライオンに乗ってウルトラホールに潜っていた。
午前中、仕事の依頼をくれたのは女性(24歳)
カールさんの知り合いで、彼女の祖父の家に飾り棚を付けたいとの事だった。
関係ないが、この女性、スミレさんというらしい。
『スミレはSMILE。スマイルと呼んで!』と歯切れの良い物言いと、キラキラした大きな目でこちらに微笑み掛けている。
…なんというか、銭婆と湯婆婆を足して2で割ったような魅力的な女性だ。
スマイルの実家に連れて行ってもらうと、ご老人が『神が我に落ちてきた』と、
そして、神をまつる祭壇を作りたもれ、と言っている。¥1200で。
神とはなんぞや?祭壇とはなんぞや?と打ち合わせを進めると、
要はタンスの上に置いてあった、この3体の鉄のヤツ↓

何これ?完全に偶像崇拝じゃねーかぁ⁉︎これが落ちてきて頭に当たって痛かったと言っていた。
飾り棚を作って置き場の確保をしたいらしい。
シンプル、かつ、機能的に。¥1200で!
隣で笑うスマイルの威圧感にまけて、引き受けざるを得なくなった。そして私はその場を逃げ出した。
さて、初仕事だから、しっかりと仕事をしたいのだが、なにせ予算は1200円!ちゃっちゃと済ませることにした。
まずはあの、見ざる聞かざる言わざるの3匹の大きさを測って、箱を作り、そのまま壁に取り付ける。
いつものように落書き図面を描く。

材料はと…
①厚み20mmの集成材(パイン材)
大きさ300×600……1210円
②ベニヤ板(余りモノ)買えば¥600
予算オーバー確定!
だが初依頼の仕事!今後、あの24歳、神隠しの女がお得意さんになってくれることを信じて仕事はこなすことにします!
棚を作るのは簡単。板を切って、組んで、固定する。今回の相棒もマルノコの「ルクシオ」
そして新顔の「レアコイル」
マキタ充電式インパクトドライバ14.4V


まずは集成材を飾り棚の側板として4枚切り出す。そして、めくった壁クロスを貼るためのベニヤも250×250で切る!


色も塗っておくか、オイルステインのピニー色
タオルに塗料を染み込ませて、板にすり込ませるように塗る。

下地チェッカー(トゲデマル)で探し出した壁の下地に飾り棚を取り付けます。

棚を付ける場所の壁のクロスをめくる。
後から作った飾り棚に貼り付ける用ですな。

そして250mm角のベニヤを取り付ける。
「いけ!レアコイル!てっていこうせんだ!」

切り取った壁クロスををベニヤの上に貼る。
のり付けで、オッケーだぜ!

そして、取り付けたベニヤを囲むように側板を取り付ける。
ネジで固定でもいいけど、ネジ頭を見せたくないから『カクシ釘』でトントンする事にしましょう。

ボンドを付けるとより強固になるね。カクシ釘は打った後、釘頭が折れて目立たなくなるのが良いところだね。
頭はパキパキ折ってしまおう!

最後に、鉄のルシファー様達が二度と堕ちてこないように
落下防止の木を打ち付けて完成!
鉄のカタマリ様たちを3個ボトボトと棚に乗せる。

スマイルと爺さんが、取り付けてる20分の間
完璧なダブルチームで私を徹底マークしていた。
取り付けおわって振り向くと、湯婆婆と爺さんがニンマリ笑いながら、¥1200を胸ポケットに突っ込んできた…。
…消費税…は?
満足そうな面立ちだったから、今後の仕事があったら上乗せしてやろう。
スマイルが『また電話する♥️』とウインクしてきたが、ノーリアクションで私は部屋のドアを閉めた。