渋い顔をし続けている梅干三男と、にらめっこすること2分…
ち、しかたない。
したくないが、報酬の話をせざるを得なくなった。報酬が毎月入ること、金額がひとり『¥5000』である事。
三男「やる!すごいやるから¥10000/月にして!」
チョロ蔵は堕ちた…あとは…。
もう1人の弟がドアを開けた。
紹介からだな…。三兄弟の次男、コーヒー屋の亭主をしてる、料理もそこそこうまい!
店の名前、『Debug Coffee Company』

ランチでもやれば儲かるのに、珈琲以外メニューがないときた…
トーストやサンドウィッチを出そうかメニューの選択に迷ってるとか、どうとかなんとか言ってる。
なんか用か?と聞いてきた満面のヒゲ顔に
言うぞ〜、聞くぞ〜
長男「工房やろうと思ってんだけど…」
次男「パンのか?」
『パぁぁンんん!!きたぁぁ!!』
やっぱり工房が何か分かってねぇ!
絶対コイツは酵母と間違えてやがる
あまつさえ私の予想通り食べ物とは…
パン?…っくくく…うい奴め!うい奴めぇぇ!!
コホン、とひとつ咳払い。
無知であることは悪くない…
無知でいることが悪いのだ…
弟の無知に私が今、鞭を入れるのだ!
パン好きの食いしん坊さんの肩を叩き、
「おい、イースト菌くん、工房ってのはな…」私が口を開きかけたとき…
三男「で、武器何作るの?」
次男「酵母だからパン作るんでしょ?ん?
作る…ところ?…酵母が?」
三男「ものづくり、いいねえ」
「攻防とは…たたかう…」
次男「店の名前とか考えてるの?」
その言葉に三男が目をキラキラさせながら言った。
三男『外国人がさぁ、モノ作った時に「ダンッ!」
とか言うじゃん⁉︎ 』
三男『あの”DONE”をもじって“ドーン“にしない?「できたぁ!」みたいな感じ、良くね?』
そんなキラキラしてる弟をどの世界の兄貴達が
止められようか…。工房ドーンの誕生の瞬間だった…。
長男「じ…じゃあ工房ドーンで…」
ゴールした後、突然次男が走り出す。
次男「ギルドの工房ドーンをかけてさぁ、
【GUILD】+【DONE】で【GUILDONE】
ギルドーンって良くね?」
弟達の笑顔の眩しさにクラクラしてもう、
世界なんてどうでも良くなった…。
そして、この後、工房の名前は『GUILDONE』と名乗ることになる。
もうお腹いっぱいで、眩しさにクラクラしながら、キラキラ達の会話に相槌を適当に打っていたら、店の看板を私が作ることになっていた…。